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武井歯科医院では滅菌を徹底しております

こんにちは、薬院の武井歯科医院です。当院では、歯周病や虫歯の予防に力を入れていますが、同時に院内感染の防止にも治療や予防と同じくらい気を配っています。今回は滅菌についてお話させていただきます。

ハンドピースや器具の滅菌

皆様は、歯医者で歯周病の治療や虫歯の治療の時に使われるハンドピースをご存じでしょうか。タービンというハンドピース(歯を削る機器)の先に小さな器具をつけて虫歯を削ります。当然、先の器具だけでなく、ハンドピースの部分にも水しぶきや削りカスが付着するのですが、このタービンや器具を1回1回滅菌することが、日本でもまだ全ての歯科医院で行われていないのが現状です。

 

というのも、日本ではタービンや器具の滅菌をすることが推奨されていても、法律で義務付けられているわけではないのです。つまり滅菌をするのか、しないのか。それは歯科医師の判断に委ねられているのです。

確かに、タービンを一度使うごとに滅菌しようと思うと、常時たくさんのタービンを備え付けておかねばならないので、歯医者にとっては負担が大きいのです。しかし、だからといって滅菌をおろそかにしていいということにはならないと私は考えています。

滅菌の大切さ

これは米国で実際にあった話なのですが、歯科医院で治療を受けた患者6名がHIVに感染したという事件がありました。キンバリー事件と言われています。HIVに感染した原因は、滅菌していないタービンだったと考えられていますが、歯科医師自身がHIVに感染していたため、器具に菌を仕込んだのではないかという説もあります。いずれにせよ、そのため米国では、CDC(米国防疫センター)とADA(米国歯科医協会)がハンドピースの滅菌を勧告したのです。州によっては法律で義務付けられていて、滅菌しない場合、歯医者は罰金や営業停止を命ぜられることがあります。

 

また、日本でも2014年に読売新聞がタービンを滅菌せずに使いまわしている歯科医院が日本全国に7割もあると報道したことで、歯医者で使う機器の滅菌に対する意識が高まりを見せましたが、最近でもまだ半数近くの歯科医院がそうした状態だそうです。

 

こうしたことを受け、当院では患者様に安心して歯科医療を受けていただくため、すべての治療に使用するタービンを滅菌しております。134℃の高温蒸気で滅菌しているため、消毒や洗浄とはまったくレベルが異なる滅菌が可能です。もちろんタービンだけでなく、歯石取りのスケーラーや普段治療に用いる器具は全て洗浄、滅菌をしております。

 

感染症の患者様には事前に自己申告をいただいておりますが、悪気はなくても潜伏期間の間は感染症に気づかないということもございます。しかし、歯周病や虫歯などの治療をするたびにタービンやスケーラーといった器具を毎回滅菌することで、感染する危険を回避できるのです。私は院内感染を未然に防いで、自分の家族をなにも心配なく治療できる環境を患者様にも提供したいと考えています。